ゴッドネス・ティア
「ヒサノ、戻ろう」


「へっ…?きゃ…!」



みんなのところへ戻るべく、ヒサノの手をとって元来た道を早足で歩き出した。





こんなところにいちゃいけない。


きっと、ここには


この辺りはスノーリアの言った通り…



死体がゴロゴロ転がってる…










「レオナ、ヒサノ!
見つけたー!
先行っちゃったからはぐれたかと思ったよぉ…」



数メートル歩くと、見慣れた二つ結びの少年が出迎えてくれた。


その他四人も固まって傍にいる。


霧が濃くて見えなかったが、近辺にいたらしい。



「?…レオナ…大丈夫?顔真っ青だよ…」


「そんなことないぜアラン。
大丈夫、大丈夫!」


「えー…本当?」



でうやらレオナの返答にご不満のようだ。


ぷくーっと頬を膨らませて不思議そうにレオナを見上げる。



「本当だって、心配すんな」



心配そうに自分をみるアランに力なく微笑み、軽く頭を撫でてあげた。


一瞬不満そうな顔をするが、それはすぐに消え去り、瞬く間に明るい笑顔を見せる。



「レオナ、何かあったか?」



いつものように無愛想な表情でこちらを見て聞いてくる香月。


それはレオナ自身に何があったのかか、あちらの方向に何かあったのかという収穫の話なのかわからなかったが、レオナはアランに向けた微笑みのまま答えた。






「なんにもないよ」











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