ゴッドネス・ティア
温かい


冷たくない





「生きてんのか…?!」



驚き、目を見開く。


こんな死体だらけの村に生き残りがいるなんて…


だが驚いている場合ではない。


レオナはその場に座り込み、素早くその温かいものの首筋に指をそえた。









トクンッ………………








トクンッ……………………









微かだが、確かに脈うっていた。


とりあえず生きていることを確信し、ホッと息をつく。


しかし、まだ安心しているどころではない。


脈は動いているが、それは弱々しく、とても遅い。


息たえるのも時間の問題だろう。


レオナは勢いよく香月を振り返った。



「香月!今すぐ戻るぞっ!!」



「は…?いきなりどうした?」



「生き残りを発見!しかーし脈が弱い!
死ぬのは時間の問題だから一秒でも早く村から出ねぇとっ!」



「んなっ!生き残り?!
どこにだ!!」



「俺んとこ!
早くしねぇとマジで死んじまうぞ!」



香月とは3メートル程離れているが、毒の霧が濃くてよく見えない。


人影がぼやーっと見えるくらいだ。


よく見えないが、まわりの皆も驚いている様子。






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