ゴッドネス・ティア
「生き残りがいるだと…!?」



一際大きな影が動いたと同時に渋い声がした。


怪訝そうな声色だ。



「その声はスノーリアだなっ!おまえこいつ運べ!!」



さも急いでいるように素早く立ち上がり、スノーリアの方へ駆け寄る。


そして肩にタッチした。



「俺には無理だから!」



「私に運べと言うのか…?!



「そーそー、じゃよろしく!」



それだけ言うと、スノーリアをおいて村の門へ走り出した。


それが合図のように他の皆もスノーリアに託して走り出した。



「それじゃ任せるぞ」



「お先に失礼します〜!」



「ぃよっ!力持ち!!」



「お任せします。」



「スノーリアさんがんばってね!」



香月、ヒサノ、リュンマ、シャラン、アラン、と口々にスノーリアへと応援メッセージを残す。


スノーリアはそれを聞き、苦虫でも噛むような表情になったとか。











「仕方あるまい…」


スノーリアは険しい表情のまま、そのたくましい腕で生き残りと思われる人物を担いだ。


思ったよりも軽い。




「…急ぐか」



担いでみて、人物の呼吸聞こえない事に気付いた。


これは危ない。




スノーリアは小さく舌打ちすると、人物を担ぎ直した。



「とばすぞ」



その瞬間、強い突風が吹いたと思うと、スノーリアはいなくなっていた。


それを見たのは誰もいない。






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