ゴッドネス・ティア
女神の絵画
「ここです、ここで私がまた呼びに来るまで待っていて下さい。では…」
巫女はそれだけ言うと軽くお辞儀をして乱暴にドアを閉めた。
おまけに鍵までかけている。
暇になり、レオナは待合室を見渡した。
「…変なところだな、なーんか不気味…」
部屋にはテーブルと椅子があり、それ以外は正面に女の人の大きな絵画が飾ってあるだけ。
「レオナー、あの絵の人誰かな?
凄くきれいな女の人だけど…」
アランは絵画に歩み寄り、まじまじと絵画を眺める。
「多分ファン様じゃね?」
レオナがテキトーに答えるとアランは首を横に振った。
「ファン様じゃないよ…目、開いてるし。
ファン様が目が見えないの忘れたの?」
そう、バンクロフト教会最高位のファンは盲目なのだ。
そんなファンを最高位には出来ない、と批判は少いわけではないが、国はそれを認めている。
「…まあ、確かに目が開いてるからファン様じゃねぇな。
目を開けるの嫌がるんだっけ?」
視線をヒサノに移す。
バチッと目が合い、ヒサノはやんわりと微笑んだ。
「この絵画は10000年前に世界を救ったと言われている女神メルス様です。
いつもメルス様が私達を見守っているということで、数少ないメルス様の絵をここ、聖なる教会に飾らせてもらっているのです。
私達巫女の役目は女神メルス様をお守りすること。
世界の人々からメルス様を信じる人がいなくなっても、私達巫女がメルス様を永遠に信じています。
だから神は消えません。
…あ、すみません、話がズレました……」
ハッとして、少し顔を赤らめて微笑んだ。
解説中ぎらぎらと輝いていた目が嘘のように元に戻る。
巫女はこんなのばかりなのかとレオナ溜息をついた。
巫女はそれだけ言うと軽くお辞儀をして乱暴にドアを閉めた。
おまけに鍵までかけている。
暇になり、レオナは待合室を見渡した。
「…変なところだな、なーんか不気味…」
部屋にはテーブルと椅子があり、それ以外は正面に女の人の大きな絵画が飾ってあるだけ。
「レオナー、あの絵の人誰かな?
凄くきれいな女の人だけど…」
アランは絵画に歩み寄り、まじまじと絵画を眺める。
「多分ファン様じゃね?」
レオナがテキトーに答えるとアランは首を横に振った。
「ファン様じゃないよ…目、開いてるし。
ファン様が目が見えないの忘れたの?」
そう、バンクロフト教会最高位のファンは盲目なのだ。
そんなファンを最高位には出来ない、と批判は少いわけではないが、国はそれを認めている。
「…まあ、確かに目が開いてるからファン様じゃねぇな。
目を開けるの嫌がるんだっけ?」
視線をヒサノに移す。
バチッと目が合い、ヒサノはやんわりと微笑んだ。
「この絵画は10000年前に世界を救ったと言われている女神メルス様です。
いつもメルス様が私達を見守っているということで、数少ないメルス様の絵をここ、聖なる教会に飾らせてもらっているのです。
私達巫女の役目は女神メルス様をお守りすること。
世界の人々からメルス様を信じる人がいなくなっても、私達巫女がメルス様を永遠に信じています。
だから神は消えません。
…あ、すみません、話がズレました……」
ハッとして、少し顔を赤らめて微笑んだ。
解説中ぎらぎらと輝いていた目が嘘のように元に戻る。
巫女はこんなのばかりなのかとレオナ溜息をついた。