ゴッドネス・ティア
テンポよくドアをノックする音が聞こえた。

返事をする前にドアが開き、青白い肌の巫女が顔を出す。


何度見てもこの青白い顔は心臓に悪い。



「皆様…、お迎えにあがりました」



「あ、お迎えですね。
行きましょう」



ヒサノは迎えに来た巫女より先にそそくさと先に出た。



「では、お二人も参りましょう」



レオナとアランは巫女に案内されながら部屋を後にした。

教会の廊下を歩きながら先程から疑問に思っていたことをアランに尋ねてみた。



「なぁアラン…、この巫女さぁ、ヒサノに様付けで呼んでるよな…？」

「呼んでるけど…何？」

「いや…、様付けってことはヒサノの方が地位が高いってわけで、一年間でこんなんになんのか？
とか思いましてねぇ…」

「は？何言ってんの？」



凛々しい眉をいっそう吊り上げて自分を見上げてくるアランに、また変な事でも言ってしまったのだろうかと考える。



「半年前にヒサノの上の地位の人が、病気で亡くなっちゃったからちゃっかり地位が上がっちゃった★
ってソフィアさんがヒサノからの伝言って言ってたじゃないか！
ちゃんと話聞いてなよ！」



アランは鼻を鳴らしてヒサノについて行った。



「……言ったっけ？」



全く記憶に無い。


ちゃっかり着いたヒサノもどうか、と思うレオナであった。




< 16 / 506 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop