ゴッドネス・ティア
そろそろ蹴りでの体力消耗が表情に表れる頃。

二人は荒い息づかいを整えながら、足を下ろした。

すっきりしたのか、ほとばしる輝いた少量の汗が眩しく見える。


そんな二人が蹴って少しささくれたベランダなんて知ったこっちゃない。



「ふぅ、すっきりしましたね!」


「うん!今度からのストレス発散道具はこのベランダにしようね!」


「はい!!」



勝手にストレス発散道具と指名されたベランダが変わり果てた姿となるのは時間の問題だろう。

一応この馬車の所有権を持つのは国王騎士であり、この二人ではない。


国王騎士が嘆く日は近い。



「さぁ、そろそろ中へ入ってあの女の方の看病でもしましょうか!」


「うん、そうしよう!」



鬱憤の晴れた二人は思い残す事なく車内へ向かおうと腰をあげた。

だが、顔を上げた瞬間…


何か物体が視界に覆いかぶさった。













「ぁぎゃぁぁああああぁぁあぁああっ!!!!」




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