ゴッドネス・ティア
「ぎゃああぁああっ！！」


「ヒ、ヒサノ…？！」



悲鳴とも言えない奇声を発するヒサノに、頬をヒクヒクと引きつらせながらアランは眉をひそめた。

いや、どちらかといえばそのヒサノの前に立ちはだかっている女性に驚いて奇声を発するヒサノにまた驚く女性が目が入り、怪しいと警戒した目で二人を見ていた。


ヒサノは女性の顔を確認すると、ハッと我に帰ったようで、奇声は止んだ。

そして震える指で女性を指差す。



「な、なんなんですかー？いきなりピンクレディーが……びっくりですー！！」


「ピンクレディー…？
そりゃアタシのことかい？かわいいネーミングどうも」


「どういたしまして！」


「………？」



女性の少しクセのかかった淡い桃色の長髪が印象的でただピンクレディーと呼んでいるのか、それともただのヒサノの思いつきなのかは定かではないが、そのネーミングを通じた会話が意味不明で理解出来ないアランは苦笑いを浮かべながらハテナを頭に浮かべていた。



「てゆーか！あんたはケルサニオスの……！」


「あ、さっきまで寝てた人間さんですね！
おはようございます！」


「あ、どーもー」



つい先程まで苦しそうに唸りながら眠り続けていた人間が、女性の正体だった。

それに驚きもせず、先程奇声を発したというのに平静に話しているヒサノはいろいろと凄いと思った。



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