ゴッドネス・ティア
「踊り娘がアランとぶつかったとき、踊り娘が何かスッたような気がしたんだが、皆気付いていないようだったからな…私の見間違いだと思った。
実際はそうではなかったがな」


「な、なんで早く言わねぇんだよ!」



取り乱すことなく淡々と答えるスノーリアに苛々が募る。



「さあな、なんとなく言わなかった。おまえらが浮かれすぎていたので私も浮かれていたのかもしれぬな。」


「てんめぇ…」



腹がたつ。


いつもぼーっとしているように見える彼がそんなところまで見ているなんて。


それは、自分の力量不足のせいかもしれないが。



「さあ、おまえらはこんな盗っ人の踊り娘を受け入れるのか?」



全てを見透かしたような目。


スノーリア特有の雰囲気が出る黒に近い灰色の瞳の色は酷く暗い。



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