ゴッドネス・ティア
ガタンッ…ガタンッ…


だんだんとこの馬車の揺れにも慣れてきた。

最初は揺れて揺れて、気持ち悪いくなって、シャランにあさっての方向にバケツを用意してもらっていたけれど、もうその必要はない。


だが、揺れる揺れるこの馬車に慣れてくると、なんだか暇になる。

揺れる感覚に慣れはじめたころは、遊び心が疼いてなにかと動き回っていたが、今はそれもめんどくさい。


怠げに馬車のベランダに座り込む少年…レオナは暇そうに目の前の仏頂面…スノーリアを何気なく眺めていた。


堂々としたその態度、座り込み方がそれはもうたくましく、かっこいいのだが、そのスノーリアに座られている青い生き物を見ると、自分でも驚く程気持ちが萎えていく。


こんど国王騎士の誰かにムンマのダイエットを勧めてみようと堅く決心したレオナであった。



「なあ、スノーリア」


「…なんだ」


「魔女の村まで後どれくらい?」



今日何度目だろうかと思うこの質問。

レオナ自身しつこいとはわかっていてもどうしてか聞いてしまう。

それは魔女の村が待ち遠しい、というわけではなく、早く馬番かわりたい、という自分勝手な願いだがそんなこと知ったこっちゃない。



< 205 / 506 >

この作品をシェア

pagetop