ゴッドネス・ティア
血を、たくさん吐いた。


口の中が切れたのと、

内臓からでてきた物。



体中は痣だらけ、

傷だらけ、

血だらけ、





……さすがに、今日は死ぬかもしれない。



毎日覚悟をしてたけど、まさか今日になるなんてな。



また、父の重い蹴り。



そして、また――――


















「…そろそろやめなよ」



ふと、闇から聞こえた、落ち着いた…女の声。


父はその声に足を止めた。



「……貴様、邪魔しに来たのか…?」



闇を見て睨み付ける。

闇がふと、笑った気がした。



「要件は違うんだけど、…一応それを邪魔しにきたつもり」



軽い口調で答える女の声。

父はそれを聞いてかなり不機嫌であろう舌打ちをした。



「フンッ、お仕置きをしてたんだがな…」

「そりゃまぁクイール、あんた自分の息子殺す気?
もう意識が朦朧としてんじゃん。
スーもわかったことだろうし、今日のところは……ね?」

「……クソ、おまえに言われると逆らえないではないか…」

「……フフ、そりゃどうも」



闇のなかの女とそれだけ会話をすると、父…クイールはこの場からいなくなった。


だが、朦朧としているスーには全く状況がつかめない。













「……大丈夫かー?」



ふと、耳元で囁かれた言葉。


スーはうまく動かせない唇で大丈夫だ、と懸命に伝えようとするが、……伝わらないみたいだ。




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