ゴッドネス・ティア
まあまあとソフィアのご乱心を抑えた後、男はそういえば、とソフィアに向き直った。



「俺、さっき家に帰ったんだけど、…凄い有様だったね…。蜘蛛の巣と埃だらけ。人がいたような感じはしないし、……レオナ……ここに住んでるのか?」



そう言って、首を傾げる男は、自分の家の有様を思い出し、切なそうに顔をしかめる。

そんな彼を横目に見て、ソフィアは首を振った。



「ここにはいないよ。………旅に出たんだ」



そう静かに答えたソフィアに、男は驚愕の表情を浮かべた。

信じられない、と頭を抱えて。



「え、旅?あの泣き虫レオナが……?!」


「……それは昔の話だから…。それ本人の前で言ったらブチ切れると思うけど?」


「あぁぁあぁあっ!信じられない、あのレオナが?!なんてことだ…!俺のいない間にそんなに成長しているとは…!そんな目まぐるしい成長を遂げているとは…確実に俺の予想の範囲を越えている!!
さすがアメリスと俺の………我が息子よぉぉお!!」


「いいから落ち着け」



次々と喜怒哀楽を成し遂げていく男に、呆れた笑みを浮かべるソフィア。


(……この親バカっぷりも…変わってないな…)



息子本人がこの場にいたらどんなに嫌がるであろうか…。

まず、顔を見た瞬間拒絶反応を示すだろう。



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