ゴッドネス・ティア
「うるせーよ、女は引っ込んでな。
おいレオナ、おまえのそのキモい頭と目どうにかならねぇのかよー、あああ気持ち悪くて吐きそうだ」


「ちょっとあんたまた何言ってんのよ!
レオナの髪や目よりあんたの顔の方がよっぽど気色悪いわよ!」



ジャンの卑劣な言葉をヒサノがそれを上回る大声で否定する。

だが、当の本人は瞳に涙を溜め、拳をぶるぶるとにぎりしめたまま俯いたままだ。


何も言い返さない小さなレオナにジャンは面白くなさそうに舌打ちした。



「今日も反応なし、あーつまんねぇ」


「つまんないなら話しかけないでよッ!!」


「だから鬼ヒサノは黙ってろって」



又してもレオナの代わりに言い返すヒサノに目も移さず返事をするジャン。

その後、なんですってぇ!とヒサノが叫んだのもまるっきり無視を決め込んだ。


そして、プルプルと小刻みに震えるレオナを冷たい目で見下ろし、鼻で笑う。



「俺、おまえみたいな甘ちゃんは大嫌いだ」



ビクリとレオナの肩が動いたが、気にせず話を続ける。



「帰って母ちゃんの乳でもしゃぶってな。
じゃあな、泣き虫レオナちゃん♪」


「……………ッ」



最後のジャンの突き放すような言葉に、レオナの溜まりに溜まっていた大粒の涙が頬に零れ落ちた。


それを見て、ジャンは又しても鼻で笑う。


そして高らかに笑いながら、仲間を引き連れて、


その場を去って行った。




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