ゴッドネス・ティア
「ちょっとなんで言い返さないのよッ!
男ならバシーッと言ってやりなさいよ!!」
「ぅー…えッ…ぐっ」
「うざい泣くな!」
「う、うざいっ…?」
ジャンが去ったあともぐずぐずと泣き続けるレオナを叱り付けるように怒鳴るヒサノ。
最後と一言に傷ついたのか、俯いていたレオナが眉をハの字にさせて微かに顔を上げた。
言うまでもなく、目の前には恐ろしい程顔をしかめたヒサノ。
でも、その表情はどこか優しさがある。
「あんたそんな泣いてばっかで何があるってーの?!
そんなんじゃ誰も守れないわよ!」
「……ま、守る…?」
「そうよ!私だってあんたにずっと付いてるわけにはいかないんだから!」
「…そ、そんな…」
そんなことわかってる。
なんて言い返そうとしても彼女の鋭い眼光を見ればそんなことを言えるはずがなく、言えたとしても、
わかってないでしょ!
と平手がとんでくるのがオチなので、また押し黙った。
そんな小さくなるレオナを見て、ヒサノは四歳児のくせに重い溜息をついた。
「クラウスさんはいつも家にいるわけじゃないんだから…アメリスさんを守ってあげるのがあんたでしょ?」
「…………ッ」
アメリス、
大好きな母の名前。
その名前が出てきた途端、レオナの表情は一変。
ヒサノはそれを見て不機嫌そうに顔をしかめる。
「……なにニコニコしてんのよ」
「えへへ……」
「えへへ、じゃないでしょ。
何よ、…アメリスさんの名前が出てきた途端泣かなくなっちゃって…つまんないわ」
そう言って頬を膨らませるヒサノはつまらなさそうにそっぽを向いた。
一方、泣き虫レオナの方は、大好きな母の名前が出てきた途端、涙が引っ込みニコニコと微笑みだしたのだった。
大好きで、大好きで、
世界一大切なお母さん。
たしか今日は一緒に散歩に行く日だった。
それを思い出すと、母に会うのがそれはもう体がびりびりと痺れるくらい楽しみになってくる。
男ならバシーッと言ってやりなさいよ!!」
「ぅー…えッ…ぐっ」
「うざい泣くな!」
「う、うざいっ…?」
ジャンが去ったあともぐずぐずと泣き続けるレオナを叱り付けるように怒鳴るヒサノ。
最後と一言に傷ついたのか、俯いていたレオナが眉をハの字にさせて微かに顔を上げた。
言うまでもなく、目の前には恐ろしい程顔をしかめたヒサノ。
でも、その表情はどこか優しさがある。
「あんたそんな泣いてばっかで何があるってーの?!
そんなんじゃ誰も守れないわよ!」
「……ま、守る…?」
「そうよ!私だってあんたにずっと付いてるわけにはいかないんだから!」
「…そ、そんな…」
そんなことわかってる。
なんて言い返そうとしても彼女の鋭い眼光を見ればそんなことを言えるはずがなく、言えたとしても、
わかってないでしょ!
と平手がとんでくるのがオチなので、また押し黙った。
そんな小さくなるレオナを見て、ヒサノは四歳児のくせに重い溜息をついた。
「クラウスさんはいつも家にいるわけじゃないんだから…アメリスさんを守ってあげるのがあんたでしょ?」
「…………ッ」
アメリス、
大好きな母の名前。
その名前が出てきた途端、レオナの表情は一変。
ヒサノはそれを見て不機嫌そうに顔をしかめる。
「……なにニコニコしてんのよ」
「えへへ……」
「えへへ、じゃないでしょ。
何よ、…アメリスさんの名前が出てきた途端泣かなくなっちゃって…つまんないわ」
そう言って頬を膨らませるヒサノはつまらなさそうにそっぽを向いた。
一方、泣き虫レオナの方は、大好きな母の名前が出てきた途端、涙が引っ込みニコニコと微笑みだしたのだった。
大好きで、大好きで、
世界一大切なお母さん。
たしか今日は一緒に散歩に行く日だった。
それを思い出すと、母に会うのがそれはもう体がびりびりと痺れるくらい楽しみになってくる。