ゴッドネス・ティア
母の美しい歌声を耳にしながら、二人はだんだんと深くなっていく木々を歩く、歩く――…






「―――ついたぁっ!」



母の嬉しそうな声と共にぼーっとしていた頭が蘇る。

歩きながらずっとぼーっとしていたレオナは先程と風景が違うことに気付き、あたふたと顔をあげた。



そこは――――…




























真っ赤。








見渡すかぎり、




―――赤の世界…。









本当に鮮血をぶちまけたように、ブラッディツリーの葉っぱがあちらこちらに落ちてたり、舞ってたり。


そして、あの大好きな実も、



血のような、赤。




赤、赤、赤、赤、赤、赤、赤…




全部、赤―――…









でもそれは、目を逸らしたくないほど、






幻想的で、神秘的で……












「………ぅわぁ……」




―――美しい。




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