ゴッドネス・ティア
エルフと人間が共存する世界『ルナ』。
数年前の人間との大戦争勝利により、エルフの大国『リリオ』は豊かであった。
そんなリリオの中で最も小さな村、『パオーレ』に、ある小さな診察室で読書にふける少年がいた。
少年の名は、レオナ・オラトーレ。
少年あるまじきぐうたらとした格好で机に突っ伏せているが、れっきとした15歳である。
そんな年齢よりじじくさい少年レオナは、部屋の一角に視線を泳がせ、深い溜息をついた。
「うそくせー…」
「なんだって!いい歴史じゃないっ」
怠そうに本を閉じるレオナに、この家の持ち主ソフィアはレオナの持っていた本を取り上げ、本をパラパラとめくりながら白衣のポケットから眼鏡を取り出した。
「メルスは女神となるかわりに世界を救った。
世界への愛を感じない?」
胸に本を抱え、目を輝かせながらクルクルとステップをふむ30代前後の女性。
そんな彼女を見て少年の冷めた目つきはいっそう温度が急降下。
「でもさぁ、女神になったというか、死んだんだろ?
死刑だっけ?
女神になるということは死んで魂だけが女神になること、だったよな?」
溜息をつきながらイスから立ち上がり、勝手にソフィアの本棚をあさり始める。
そんな相変わらず冷めた少年にソフィアは呆れたように目をふせた。
「ふぅ…、あんたにはこの素晴らしさがわかんないのか?
まあ、いつかわかるときが来ると思うけどね…」
小さく溜息をついた、瞬間にソフィアは不適な笑みを浮かべた。
何かをたくらんでいるような…怪しい笑み。
「………で?
私に用があるんでしょ?
腹が痛いのか?
それとも頭が痛いのか?」
そして、机の中にあった注射機を取り出してレオナを振り向いた。
目の合ってしまったレオナは若干冷汗をかきながら苦笑いを浮かべる。
「それとも遊びにきたのか?
それなら私の実験台になってくれないかしら?」
なんだよ口調がおかしいじゃねぇか気持ち悪ぃ…
と口走る前に、光が針の先に反射し、より恐ろしく見える注射機が近づいてきた。
数年前の人間との大戦争勝利により、エルフの大国『リリオ』は豊かであった。
そんなリリオの中で最も小さな村、『パオーレ』に、ある小さな診察室で読書にふける少年がいた。
少年の名は、レオナ・オラトーレ。
少年あるまじきぐうたらとした格好で机に突っ伏せているが、れっきとした15歳である。
そんな年齢よりじじくさい少年レオナは、部屋の一角に視線を泳がせ、深い溜息をついた。
「うそくせー…」
「なんだって!いい歴史じゃないっ」
怠そうに本を閉じるレオナに、この家の持ち主ソフィアはレオナの持っていた本を取り上げ、本をパラパラとめくりながら白衣のポケットから眼鏡を取り出した。
「メルスは女神となるかわりに世界を救った。
世界への愛を感じない?」
胸に本を抱え、目を輝かせながらクルクルとステップをふむ30代前後の女性。
そんな彼女を見て少年の冷めた目つきはいっそう温度が急降下。
「でもさぁ、女神になったというか、死んだんだろ?
死刑だっけ?
女神になるということは死んで魂だけが女神になること、だったよな?」
溜息をつきながらイスから立ち上がり、勝手にソフィアの本棚をあさり始める。
そんな相変わらず冷めた少年にソフィアは呆れたように目をふせた。
「ふぅ…、あんたにはこの素晴らしさがわかんないのか?
まあ、いつかわかるときが来ると思うけどね…」
小さく溜息をついた、瞬間にソフィアは不適な笑みを浮かべた。
何かをたくらんでいるような…怪しい笑み。
「………で?
私に用があるんでしょ?
腹が痛いのか?
それとも頭が痛いのか?」
そして、机の中にあった注射機を取り出してレオナを振り向いた。
目の合ってしまったレオナは若干冷汗をかきながら苦笑いを浮かべる。
「それとも遊びにきたのか?
それなら私の実験台になってくれないかしら?」
なんだよ口調がおかしいじゃねぇか気持ち悪ぃ…
と口走る前に、光が針の先に反射し、より恐ろしく見える注射機が近づいてきた。