ゴッドネス・ティア
小柄なわりには威圧感があり、その小ささが薄れる。


ソフィリスィアはにんまり笑むと、座っているリアを見下し、その隣でポカンと自分を見上げているレオナごと強く抱きしめた。


瞬間、リアの口元がこれでもかというほどひきつる。



「いやー久しぶりだなぁ!!
リアまた身長伸びた?
憎たらしいやつめ!」



そう言って、ぐりぐりとリアの頭を撫で回した。


ああ…せっかくのサラサラの髪が…。


何故かレオナの表情が悲しみに歪む。



「んー…相変わらず無愛想だねー…。
そんなんだと好きな子に嫌われちゃうよ?」


「!!………この減らず口が……!!!」


「ほーらそれそれ。
ニコニコしてなきゃ女の子も寄ってこないって」


「貴様には関係ないわ!!」



楽しそうに空色の髪を掻き回すソフィリスィアの手を跳ね退け、険しい顔付きをいっそう険しく歪ませる。


ソフィリスィアの方は怖がりもせずヘラヘラと笑みを浮かべていた。


そして拒否を待たずにまたもリアの首に腕をまわした。


その表情はまるで悪戯を楽しんでいる少年のようだ。


そんな彼女を無理矢理引きはがそうとリアは彼女の細い肩を掴んだが、それは彼女の囁きによって停止した。


リアの耳元で隣にいるレオナにも聞き取れないほどの小声で何か囁いている。



「………………!!!」



話が終わったのか、リアはソフィリスィアを思いきり引きはがし、突き飛ばす。


突き飛ばされた彼女は一瞬バランスを崩すが、すぐに持ち直しにんまりと笑みを深める。


近くで眺めている小さなレオナにはその行動の意味が全く理解できない。


そろそろ暇になってきたので何か話しかけようと隣のリアお兄さんを見上げた。


…………目が合った。



「……………っ!」



リアの方はパチクリと目を瞬かせるレオナと目が合ったが、自分の口元に当てている手を離さず目をそらした。


レオナは不思議そうに首を傾げる。


だって、お兄さんのどちらかといえば白い顔が……



「………真っ赤っか」




< 307 / 506 >

この作品をシェア

pagetop