ゴッドネス・ティア












そろそろ、曲も終盤にさしかかるころ。


レオナは頭痛と吐き気にいっぱいいっぱいで、演奏は我が腕に任せていた。



この際演奏なんかどうでもいい。




はやく、終われ。
















ふわり、小さな手が宙を舞い、ゆっくりと白い鍵盤に舞い落ちた。




大人四人衆から、ほぅっと溜息が聞こえる。











終わった。




やっと生き地獄から解放されたレオナその四人よりも深く思い溜息をついた。





演奏が終わったのはいいのだ、が、








………体調がまたすこぶる悪くなっていくのは気のせいだろうか…。






「どう?レオナったらすごいでしょ?」


「すごいすごいアメリス!あんたの息子はなに?本当に子供なの?」


「はっはっはー!さすが我が息子だー!!」


「クラウスの息子とは思えんな」


「アメリス似なんでしょう」








大人達の会話で遠くに聞こえる。












頭が、回る……





ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる……









< 315 / 506 >

この作品をシェア

pagetop