ゴッドネス・ティア
真剣にレオナの看病をしていたつもりだが、レオナの状態が落ち着き、スノーリアもいつのまにか眠ってしまっていたらしい。


そういえばレオナが倒れてからあまりまともに眠っていなかったような気がする。



「………まったく、情けないな…」



一つ深い溜息をつき、軋む体で重い腰を上げた。



改めて辺りを眺めると、

………この部屋真っ黒だ。


あの森での出来事の後、スーを追うのは諦め、とりあえず血だらけのレオナを魔女の村へ連れ帰った。


魔女の長でサロナと名乗る少女に部屋を借り、森の騒動の時にはひっそりと身を隠していた小心者のサロナの部下、ジョージ・ブラウンにありとあらゆる物をいろいろと準備させた。


タオルやら氷やら水やら毛布やら……、サロナがボロ雑巾になるまで使っていいぞと言うからとことんこき使ってやったのだ。


結果本当にボロ雑巾のようにヘロヘロになったジョージはどこにいるかわからないが、大きないびきをかいてどこかで寝ているらしい。


不思議なことに、……いびきだけは何故か聞こえる。



まあ…この部屋はあの魔女の趣味だと思うが、………なんたる悪趣味。


これでは人を診るどころか呪いの儀式が出来そうだ。





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