ゴッドネス・ティア
「そういえばスノーリアさんも探してましたよ。
レオナがいたはずのベッドがもぬけの殻だ!って言って持ってた氷ほうり出してどっか行っちゃたんですよねー…」


「……スノーリアはああ見えて意外と過保護だからな」




あのいつも冷静沈着…かどうかは謎だが、そんな彼が血眼になってレオナを探しているところを想像したら…………なんか笑えた。


そして、噂をすれば事はおこる。





「…………レオナ!」



パタパタと急ぎ足の足音と共に聞き慣れた例の声が聞こえた。

振り向けば………いつも結っているはずのその髪を振り乱し、血相を変えて走って来るスノーリアが見えた。


………本当に過保護だ。





「ようっスノーリア、どうしたそんな顔して。顔色悪いぞ?」



ゼーハー、と息を整えるスノーリアに苦笑いを向けた。

そういえば、彼がここまで息を切らしているのは初めて見たような気がする。






「……な、何をしているのだ。具合が悪いなら寝てなさいと…」


「今はなんともないけど…」


「そんな甘ったれたことを言ってるからいつも騒動を起こすのだ!」


「……………」




……何故こんなことで叱られなければならないのか。


だがレオナにはうっかりムンマを暴走させた、という前科があるので何も言い返せない。







「でもスノーリアさん、私からはレオナよりスノーリアさんの方が具合が悪そうに見えるんですが………」



そう切り出したヒサノは実は本当にレオナより具合の悪そうなスノーリアに眉を潜めた。

レオナからもそのスノーリアの青い表情は、自分よりスノーリアの方が休んだ方がいいのではないかと伺える程だ。



当人はというと、その青い顔をしかめながら……何故か何かを確認するかのように辺りをキョロキョロと見回す。

























―――……ヒューッ




< 356 / 506 >

この作品をシェア

pagetop