ゴッドネス・ティア
うーん、と三日三晩凝りに凝った筋肉をほぐした。

眠たげなけだるい表情で目の前に静かに佇むやっぱり黒いドアを眺める。



ぼーっとそれを瞳に映しているといきなりその黒いドアノブがガチャリと傾いた。


急な出来事に三人は眉を潜めていると、……ドアからある人物が顔を出した。


そのあまり見慣れていない顔に三人は同時に目を見開く。


人物は三人を確認するとにんまりと笑み、ずかずかとその真っ黒な室内に足を踏み入れた。

その後ろにもう一人わたわたと付いていく。




「お、おまえ……」



呆気にとられながら、レオナはあまり言い慣れてもいない名を口にした。












「………サロナ？」



そう呼ばれた少女の外見をした魔女は、ベッドに転がるレオナを気怠そうに見下ろしていた。

何かを考えるように顎に手をあて、首を捻る。




「……ふーん、なるほど」



なにか意味ありげな言葉を呟いた。

気怠そうな表情には似つかわしくない真剣な瞳がレオナを舐めるように見つめるから、レオナもなかなか言葉を発せられない。

今度はベッドのまわりをゆっくりと、何かを観賞するようなそぶりで回り始めた。


………よくわからない行動。


そんな彼女の背後では心なしか青い顔のジョージがハラハラとその光景を見守っていた。

すでに蚊帳の外であるヒサノとスノーリアは呆気にとられながらも、口を出すこともなく、サロナの行動を止めるわけでもなくただじっと黙っている。



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