ゴッドネス・ティア
「サロナ様!と、ととと殿方のベッドに侵入するなど…まだ早過ぎます!
このジョージ、まだ認めませんよーー!!」


「そうですよ!レオナも何ぼーっとしてるんですか!!あんたはいっつも無防備だからリンに変なことされるのよっ!」




……なんかヒサノは素に戻ってますが。
ジョージの方は瞳に涙をためながら歎いていた。

そんなお二方をまるっきり無視して何様私様サロナ様は平然とレオナの上に跨がった。
軽い、軽すぎる。

あまりに軽すぎる少女は、どうしたらいいかわからないレオナの心情など知ったことか、と赤い髪をその細い指で弄んでいた。





「ねえ…レオナだっけ?」


「………はーい、そうでーす」



頭上から舞い降りて来た少女のものだとは認めがたい色っぽい声。
その声にレオナは作り笑みを顔に貼付けたまま自分でも意味不明なテンションで答えた。

その答えに彼女は「ふーん」と興味なさ気。
奇妙な髪を真剣な眼差しで弄りに弄っている。




「………ねえこの髪……地毛?」



ピタリ、と忙しなくサロナの指がとまり、レオナを覗き込む彼女の顔が見えた。

……どうしてこの少女はこうも大胆なのだろうか。



「地毛だよ、マジで。気持ち悪ぃだろ?」



昔から奇妙な髪だと気味悪がられていた。
どうせこの少女も変に思ってるんだろう。

些か嘲笑のような笑みを浮かべ、少し延びてきた髪に触れた。

気味悪がられるのは慣れている。



そう思っていたが、少女は意外にも…気味悪がるどころか、またレオナの髪を弄りだした。
優しく、柔らかな笑みを浮かべて…。



「………そっか。……………いい色だ」



< 362 / 506 >

この作品をシェア

pagetop