ゴッドネス・ティア
今までの凛々しい表情とは打って変わった優しく柔らかい表情。

その表情と釣り合った優しい声色と言動に、レオナは大きく目を見開いた。


そして……、レオナはともかく、いつも主人に酷く振り回されているであろうジョージが唖然としていた。








そんな二人組は放置して、原因のサロナはピョンッと飛躍し、……床に着地した。


そして優雅に微笑んだまま、


……まるで当然だと言うように、「言っておくけど…」と口を開いた。



























「――…あたしも旅に付いて行くから」





















…………はい?


そう、サロナ以外の全員が口にしそうになった。
















「あたし、涙の石が破壊されるところを見届けるまであんた達に付いていくから。そこんとこよろしく」
















「――…はいいいい?!」



まず声を上げたのはレオナ。
ベッドから飛び上がり、彼女の小さなシルエットをひしと目に焼き付ける。



「な、どうしたんですかいきなり…!貴女、長なんですから此処を離れてはいけないのでは…」


「長だから、だよ」




動揺を隠せないヒサノの言葉を遮り、当然のようにサロナは続けた。




「涙の石は代々この村が守り続けてきた大切なものなんだ。……だが、それを教会が必要だと言うのならくれてやる。……そう思っていたが、………あたしはあんた達を完全に信用しちゃいない」




ギロリ、と鋭いサロナの眼光がレオナに剥いた。

ヒサノは不安げに眉を潜め、落ち着かないのか胸の辺りでぎゅっと両手を握っている。

スノーリアはただ黙っていた。




「………今回だってスーって奴に奪われかけたんだろう?一応取り返したみたいだが……危ない、危な過ぎる。……だからあたしが付いていくんだ。……涙の石を守るために」









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