ゴッドネス・ティア
……殺人鬼。
自分の事をそう呼ぶサロナの表情は…嘲笑が浮かんでいた。


そんな主人の悲しい表情が、……10年前の忌ま忌ましい光景を思い出させた。








―――……殺人鬼じゃありません。貴女は救済者です。


―――…………。


―――…………。


―――…そう思うのは、……おまえだからだよ。


―――…………。










いけない。この話はまずかった。
10年前のあの話をする度、主人は急激にネガティブに陥る。

……きっと今意思伝達しても答えてはくれないだろう。




―――………サロナ様。






話しかけたジョージに答えるように、サロナからの意思伝達は切られた。

なんだかとても寂しい気分になるジョージ。
誰にも気付かれず、ジョージは一人でひっそりとうなだれた。






















































「―――…ちょ、な、いやぁぁぁぁああああっ!!!!」

「ぎゃぁぁああ引っ張んなぁぁああ!!」

「やーん香月ぅぅうんっ!」

「テメェこらあたしまで巻き添えにぁぁああっ!!」

「………じゃあ私も」





一際強い強い風が吹き、木々がざわめく大自然。

だがそこは、一般人なら誰もが立ち寄らないであろう危険な場所だった。


この辺りは地盤が悪く、緑も深いも深いためどこに何があるかイマイチ掴めない。

それに加えて……近くは標高どれくらいかなんて考えてたくもない崖。


崖、崖、崖……そしてまた崖………。


何故か崖のオンパレード。

そして噂をすれば崖から足を滑らせたのが………他でもない、我が国誇る国王騎士であるル・メイ・ユイ・スィ・ブローリアンである。
そして次々と道連れにされていくのは、軽く忘れ去られていた国王騎士五人組であった。




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