ゴッドネス・ティア
香月が空中へ飛躍したのを確認すると、四人も同じように身を投げ出した。


五人揃って自殺行為にも見えるが、彼女等の表情からは、死ぬ気などミジンコ程もありませんというようなことが伺える。

死ぬ気など微塵もない、そんな五人は目前に控える緑の大群に向かって……静かに目をつぶった。


四肢をなるべく小さく丸め、そして……、














五人は戸惑いなく鬱蒼と覆い繁る木々にダイブした。

































森に突っ込んだと同時に、枝か葉かはわからないが、細かい物が体のあちこちを撫で回す。


丈夫な団服のおかげでその小さな攻撃は免れているが、団服で覆われていない素肌は浅く裂けたような痛みが走った。


眉を潜めるが、今はそんな小さな痛みを気にしている場合ではない。






枝や葉にに叩かれている腕をうんと解放し、香月がいつも自分自身に肌身離さず身につけている……バンダナのようなただの布切れのような白い額当て握った。

結び目を解き、今まで張り付いていた布を解くと頭が軽くなった。







目を開くと、………地面はは直前。




悠長にしている場合ではない。




目に止まらぬ速さで布を握ったまま、それを…横に振り払った。






























瞬間、今にも地面に衝突するかと思われた国王騎士達は、一瞬自分の体が何かに引っ張られたのを感じた。


































「ゔっ!」

「ぐぇっ!」

「がはぁっ!!!」




< 368 / 506 >

この作品をシェア

pagetop