ゴッドネス・ティア
「あーしかも香月さん達とまた離れ離れになっちゃったみたいだしー…なんてツイてないの……」


「何を言ってるのさル・メイお嬢。俺と運命的な出会いをした君がツイてないわけないじゃなーい。ほらこっちへおいでーグボッ」


「触らないで変態!!そして気安く名前を呼ばないで!!」



がっくりうなだれるル・メイの腰をさりげなく引く男は、ル・メイの肘アタックという制裁によって倒れ伏した。











「……とりあえず、情報集めをする前に香月さん達を探そうぜル・メイ。お前が厄介な事してくれたせいでかなりの時間ロスだ」


「あ……、はうぅぅ……ごめんなさい…」




今回の崖事件は完全にル・メイが悪い。
反論ができる立場ではないので、深く溜息をつく華蓮に久しぶりの謝罪を述べた。

華蓮のほうは、ル・メイのドジには慣れているようであまり気にしていない様子。







「……すまねぇな…時間とらせちまった。オレ達はもう行くけど、お前はどうする?」


「…俺?俺はー………………華蓮ちゃん達に付いて行こっかな!」


「…………断る」


「あっはーやっぱり?」



冗談だったのかなんなのか、男は真面目に返してくる華蓮をケラケラと笑い飛ばした。

客観的に見れば、華蓮が馬鹿にされているようにも見える。否、そうかもしれないが……。
そうせいか、無駄にプライドの高い華蓮は見るからに顔をしかめていた。



「あーそうそう俺ちなみに名前クレストだからー覚えてっちょ!」


「覚えねーよ」


「自己紹介とか本当いらないから」



……元気よくはいはーい!と、挙手した男…クレストの言葉は見下げる女達によって黙らされた。




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