ゴッドネス・ティア


「…………何…?」












今、なんと言った?





この男は、なんと…?






















「――…貴様、何者だ」





ニコニコと笑顔を保つクレストに反した険しい面持ちで香月は低い声を落とした。


低い、低い、……人一人金縛りにでも出来そうな声と眼光。



それはいつものように疲れきった眼ではなく、……一人の騎士の眼だ。


背後の四人もクレストを睨むようにして佇んでいる。


















「嫌だなあ香月ちゃん。女の子なんだからそんなぴりぴりした殺気出ーさなーいの。あらまーリュンマちゃんまで笑顔が黒ーい。……シャランちゃん俺を殺す気満々だなー…」



国王騎士という国を代表する戦士達計五人の鋭い眼光と殺気を受けながらも………へらへらと笑みを浮かべるクレスト。



何故だ?


何故この男は………























………名乗ってもいない人物の名がわかるのだ……。




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