ゴッドネス・ティア
「あー痛いなー…絶対肋骨折れてるぜー…」


「………………だから治療費を払うと言っているだろう…」




痛たー…、と脇腹を押さえるクレストに、更に睨みを効かした。

……だがやはり、へらへらするだけで怯えるどころか笑みを深くするだけだった。

それどころか、……奴はとんでもないことを口にした。
























「……この脇腹…傷害罪で訴えられるよねー?」













「………なっ!?」


「国王騎士、一般人を巻き込んで傷負わせる!てなかんじでさー。………そしたらクビになっちゃうかもね君らー」




目を見開いた。

……それはまずい。


どうにかこうにかしたら……裁判でも勝てるが、一度着せられた汚名はなかなかとれない。

………歴代の国王騎士の名を汚すことなど御免だ。



「そっちの方が慰謝料たっくさん請求出来るしー。いや別に金はどーでもいいんだよねー」




へらへら笑う、……欝陶しい男。





………潔くここで消えてもらおうか。


…少しばかり本気考えたが、それはなんとか踏ん張る。








クレストは………ただただ笑っている。

…笑っている。


……挑発するように。



















「………何が望みだ?」


「………………さっすがー。リーダーやるぅ!」



仕方なく折れたリーダーね肩を軽く小突き、ニコニコとした笑みで笑いかけた。


………その笑みが煩わしくて堪らないのだが。




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