ゴッドネス・ティア
「あ、これだろ?エルフ側の女騎士のリーダー。……えーと、籃・香月?」
「確かにリーダーのような雰囲気はありますね。…少しばかり疲れきっているようですが」
「いろいろ苦労してるんだろ。うちのナミとは大違いだ」
「ハハッ!ジャンナもなかなか言いますねえ!本人に聞こえてないから良いものの!」
「ハハハッ、聞こえてたらこんな恐ろしいこと言わねえよ」
『籃・香月の資料』と端正な字で書かれた数枚の資料を片手に、ジャンナと仲間である男はと高らかな笑い声を上げた。
……その背後から忍び寄る陰には気付かずに…。
ドスッ、となんだか良いような悪いような生易しい音がしたかと思ったら、……ジャンナの足元に鉄製の何かが生えていた。否、刺さっていた。
それを見た途端……驚くよりも先に、「あ、今日こそ死ぬぞ」と冷静に考えるジャンナ自身がいた。
「丸聞こえなんだけど」
土に奥深く刺さっている三又の鉄槍を抜き出し、尖端の汚れを辺りに払った。
それを片手に掲げる人物を見た途端………やっぱり血の気が引いていった。
ナミとジャンナの一方的な攻防戦の後、今度こそ仲良く……ではないだろうが、円になって本格的な会議を始めた。
十人もいるとなかなか熱苦しい。
「まず、あいつらが目的地に着いたところを見届け、…隙が出来たところであたしが合図を出す。……戦闘開始のな」
片手に全ての資料に目を通しながら、ナミは実に楽しそうに笑みを浮かべた。
ページをめくり、……ある一枚の表紙でふと手を止めた。
そしてニタリと世にも不気味な笑みを見せた。
「こいつはあたしの獲物だ。……あんた等は他の雑魚共と楽しく遊んでな」
そう言って円の中央に投げ捨てるように、ある人物の写真をおいた。
風が吹き、飛ばされそうになる写真を慌てて止め、ナミ意外の九人は食いつくように写真へ身を乗り出した。
それを目にした途端、……顔をしかめ、ナミへ視線を移した。
視線を感じたナミは不敵に微笑んだまま、写真を奪い返し、……笑ったまま写真を無惨に引きちぎった。
「――籃・香月はあたしがこの手で殺す」
「確かにリーダーのような雰囲気はありますね。…少しばかり疲れきっているようですが」
「いろいろ苦労してるんだろ。うちのナミとは大違いだ」
「ハハッ!ジャンナもなかなか言いますねえ!本人に聞こえてないから良いものの!」
「ハハハッ、聞こえてたらこんな恐ろしいこと言わねえよ」
『籃・香月の資料』と端正な字で書かれた数枚の資料を片手に、ジャンナと仲間である男はと高らかな笑い声を上げた。
……その背後から忍び寄る陰には気付かずに…。
ドスッ、となんだか良いような悪いような生易しい音がしたかと思ったら、……ジャンナの足元に鉄製の何かが生えていた。否、刺さっていた。
それを見た途端……驚くよりも先に、「あ、今日こそ死ぬぞ」と冷静に考えるジャンナ自身がいた。
「丸聞こえなんだけど」
土に奥深く刺さっている三又の鉄槍を抜き出し、尖端の汚れを辺りに払った。
それを片手に掲げる人物を見た途端………やっぱり血の気が引いていった。
ナミとジャンナの一方的な攻防戦の後、今度こそ仲良く……ではないだろうが、円になって本格的な会議を始めた。
十人もいるとなかなか熱苦しい。
「まず、あいつらが目的地に着いたところを見届け、…隙が出来たところであたしが合図を出す。……戦闘開始のな」
片手に全ての資料に目を通しながら、ナミは実に楽しそうに笑みを浮かべた。
ページをめくり、……ある一枚の表紙でふと手を止めた。
そしてニタリと世にも不気味な笑みを見せた。
「こいつはあたしの獲物だ。……あんた等は他の雑魚共と楽しく遊んでな」
そう言って円の中央に投げ捨てるように、ある人物の写真をおいた。
風が吹き、飛ばされそうになる写真を慌てて止め、ナミ意外の九人は食いつくように写真へ身を乗り出した。
それを目にした途端、……顔をしかめ、ナミへ視線を移した。
視線を感じたナミは不敵に微笑んだまま、写真を奪い返し、……笑ったまま写真を無惨に引きちぎった。
「――籃・香月はあたしがこの手で殺す」