ゴッドネス・ティア













磨けば輝き、照らせば光る。

たくさんあれば、いろいろな物を自由に扱える。

例えば、…地位とか物欲とか……性欲だとか。




金は良い。


余るほどあっても、困らないし。

あったらあるだけ、安堵感が持てる。



たくさんの人を金で動かす事だって出来る。


素晴らしき宝だ。










アタシは、いつからこんなに金にしがみつくようになったんだっけ。









まあ……確か物心ついたあたりかな。






売られて買われて、……奴隷にされて、






そういえば売春宿に売られたのがきっかけだっけか。





男ってば単純。




ちょっと猫撫で声を上げればすぐ喜ぶ。

焦らせば、金をどんどん積んで求めてくる。








あら、お金って便利。



















ねえ、アタシ汚いよ。


もう、昔のアタシじゃないよ。


笑い方だって、昔に比べたら全く可愛いげもないし。



泣き方なんて、昔泣きすぎて忘れたし。



頭ん中なんて、いっつも金ばっか。



優しくだってないし。



自分の事しか考えてないし。



人の命なんて、躊躇いもなく奪えるよ。

















そんなアタシなんかに、



















――……貴女は手を差し延べてくれたんだ。



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