ゴッドネス・ティア
「………昼間寝ればよかったのによ……。……しょうがねえなあ…」


ふう、と一つ息をついて目下の眠たげな瞳を見下ろす。

三日も寝てないせいか、せっかくのきめ細かい綺麗な肌に、くっきりとした浅黒い隈が自身を主張している。

疲れた顔をしながらも「昼間はいろいろ忙しかったんだー」と眠たげに目を擦って答えるリン。



「……ったく、世話のやける奴だ。……おまえみたいな糞女、絶ー対っ自分の女にはしたくねえ」


「……アタシだってアンタみたいな失礼で甲斐性無しの腰抜けはゴメンだね。女の敵だ敵ー」


「んだと糞女ー。顔だけが取り柄かコノヤロー」


「ついでに体も取り柄だバカヤロー」



そんなくだらない、お互いをけなし合うようなやり取りをしながらケラケラと笑う二人。

先程までの気まずい緊張感はどこに行ったのだろうか。







「……しょうがねえな。……じゃあリンが眠るまでこのままでいてやる」


「………え、マジ?」



未だぎゅうぎゅうと痛い程腰に手を回してくるリンを制し、レオナは驚くべきことを言ってのけた。

実はひそかに願ってはいたが、まさか叶うとは思っていなかったリン。心の中で喜びに拳を握った。



「俺は優しいからな。一応おまえは女の子だから、可哀相なか弱い女の子だと思うから。仕方なーく、な。別に下心があるわけじゃないからな。そこんとこをきちんと胸に刻んでおくように。よろしいですかリンさん?」


「おおー!我が友よーっ!!レオナ愛してる!!なんか自分で優しいとか言っててウケるけどまたそこが愛してる!!世界で三番目に愛してる!!!」


「愛してるとか軽々しく言うな。それは一番に言うもんだぜ。あとなんで三番目なんていう微妙な数字なんだ。別に気に食わないわけじゃないけどなんか気になる」


「なんかかっこいいこと言っちゃってるしウケるんですけどーッ!!一番と二番は秘密よ秘密ーぅっ」



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