ゴッドネス・ティア
なんだか話題がズレながらもペチャクチャとお喋りを始めた二人。


さすがにピッタリとくっついて眠るのはレオナも嫌なので、そこはベッドに二人で大の字になる。


だが、二人の間のあともう一人入りそうな空間を破り、またもやリンがレオナにくっついて来た。

当たり前、レオナは笑顔を引き攣らせる。




「だからくっつくなって。変な誤解とかされたら困るんだよ」


「だってーん。レオナ風呂上がりだから良い匂いするんだもーん。どれどれ…」


「……んがっ!髪を匂うな髪を!!触るな、濡れるぞ!!」



くんくんと、まだ湿っている髪をまるで犬のように嗅いでくるリン。

レオナの赤い髪は、暗闇でもその血のような色を主張していた。

それを優しく指ですいた後、クスリとリンは微笑みを浮かべ、今にも眠りに落ちそうな程掠れた声で呟き始めた。



「アタシ……この赤い髪…大好きなんだぁ…。すごく好き……この感触も…色も……全…部。……よくね……あの人も…アタシが…眠れないとき…に…よく、…こうやって…一緒に寝てくれるん…だ。だから……レオナ…は……」



レオナの赤い髪を指に絡ませながら、……リンの言葉は切れた。

ぷつりと、切れるようにリンは深い眠りに落ちたのだ。



「………俺が…」



何か言いかけて寝てしまったリン。
レオナのことについて何か言いたかったみたいだが生憎寝てしまったし、レオナ自身も気になった。



「………あの人…?」



リンが言った、あの人とは誰なのだろうか。まあ聞いても知るわけないが。

それにしても、リンがこの奇妙な髪を好くとは意外だ。

この髪は鮮やかな赤というより……おどろおどろしい赤……否、血の色だ。


サロナも何故かこの髪を褒めてくれたが、……珍しい、珍しすぎる。



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