ゴッドネス・ティア
足音を建てずに近付いた。
いちいち神経を使わなくても無意識に足音は起たないように体はそうなっているが、念のためだ。


近くで見ても、やっぱり綺麗だった。
寝癖なんか知らない、流れるようなプラチナブロンド。細い一本一本の髪が、触れてほしいと懇願しているように輝いている。


黒いベッドに反するプラチナブロンドを掬い上げた。それをそっと口付けた。










……彼女とは違う香り。




それでも、どこか似ているんだ。



どこかは解らないが、どこか彼女に……似ているんだ。












ギシリ。男一人の体重に、ベッドが軋んだ。


もっと、彼女に似ているこの少女に触れたい。

彼女にはもう会えないから。



懇々と眠る少女。その白い頬に触れた。少女の寝息が首を撫でた。

































ギシリ、と何かが音を起てた。

まだその時は夢の中。それが自分が寝ているベッドだなんてまだ理解出来ない。

ただ、なんだか暖かかった。

体を優しく包まれているような、そんな温もり。


それが気持ち良くて、じっとしていた。けれど、……なんだか少し重く感じた。

直接何かが体に触れているわけではないのに、何か目に見えないような物が自分に覆いかぶさっている気がしたのだ。

そんな、もしかしてここ心霊スポットなのかも。なんて恐ろしくて考えたくもない。









だが、自分の頬に、何か温かい物が触れた瞬間。
























―――…私の脳は覚醒した。


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