ゴッドネス・ティア
あまり言われ慣れない褒め言葉に、レオナの頬は紅潮した。

柄になく、照れている。



「マ、マジっすか〜?俺、信じちゃうぜ?」


「あはは!何照れてんだい!おもしろいねあんた!」



いやぁ〜、と頭をかく少年レオナを尚も褒める女性。

レオナの隣では、彼の手を握ったまま呆れた様子を見せて、ぱちくりと瞬きを繰り返すヒサノの袖を引くアランがいた。

アランの苦い視線に気付いたのか、微かに微笑みを浮かべてアランの目線と合わせるヒサノ。



「レオナったら調子に乗ってるね。極たまに褒められるとこうだよ。呆れちゃうよね!」


「……ふふ、まあいいんじゃないですか?最近お疲れみたいでしたし、褒められるのも、極、たまに、ですから今のうちに調子に乗らせといてあげましょう」


「あ、それもそうだね」



哀れレオナ。簪を次々と勧められている間に、幼なじみ達は黒い雑談をしているのだった。




「……んー…悪ぃなおばちゃん。俺としては買ってやりてぇんだけど、俺、簪付けねぇし」


「いやだねぇ、あたしゃそうゆう事言ってんじゃないよ!あんたのかわいい恋人さんにでもプレゼントしたらどうだいって事だよ!」


「あーそうゆうこと!それなら尚更だな。生憎そんなもんいねぇんだ」


「まっ!それは本当かい!?あんたモテるだろうに…。恋人は作らない主義なのかい?」


「いやー…まずそんな相手が全くいないっつーかー。モテるも何も、俺女の子に好かれたこともねぇからー!」


「あははは!!寂しいねー!!」



何故か女性と話が盛り上がる少年レオナ。何故だ。

寂しい男の話で盛り上がっている最中、アランとヒサノは大きく頬を膨らませていた。

こちらも何故か拗ねている二人。

レオナと盛り上がる女性を見ながら、レオナをもギロリと睨み続ける二人であった。




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