ゴッドネス・ティア
何人もの女共に揉みくちゃにされながら、スノーリア争奪戦を勝ち抜いた数人の女はレオナ達をも巻き込んで、自分の店らしい建物に放り込んだ。
放り込まれて、そして……何故か今、店の中でレオナ、スノーリア、アランは何人もの女達に囲まれて、何故か酒を出されて、何故かヒサノやリンやサロナは奥の部屋へ引っ張りこまれて………何故こんなことになっているなだろうか。
1番の原因である、女共にモテモテのスノーリアを軽く睨んだ。
それに気付いた彼は、微かに気まずそうな顔をする。
「……スノーリア、しっかり覚えとけ。……美形であることが罪になることだってある、…って事を」
「………すまん」
「謝んな。余計ムカつくわ」
男の自分からして見ても、スノーリアは超絶美形だ。
かっこいい、というより、美しいという言葉が似合う彼に、軽く嫉妬しているのかそうでないのか。
「きゃああっ!お似合いですわー!」
すると、店の奥から歓声のような声が上がった。
先程ヒサノ達が連れていかれた部屋からのような気がする。
「お客様〜!見てください。かわいらしいでしょう?」
まず、ヒサノ達と一緒に部屋に入っていた店の女共がニコニコと笑みを浮かべながら出てきた。
その後ろにいるのは…
「……おまえ等…何やってんだ?」
現れた女三人衆に苦笑いを浮かべてしまうレオナ。
ヒサノは淡い桃色のかわいらしいもの、リンは大人の雰囲気漂う赤ワイン色、そしてサロナは黒ではなく、彼女には珍しい紺色の鮮やかなものだった。
三人の身につけているそれは、確か…
「江戸州文化の、着物ですわー!」
女共はさも楽しそうに、三人を皆に見せびらかしていた。
ヒサノは恥ずかしそうに俯いて、リンは相変わらずノリノリ、サロナは……あ、舌打ちしてる。
「な、なんで今更着替えなんか…さっきも着物着てただろ?」
「あら、お言葉ですがお客様。先程までの御召し物は大変価値の低い物でして。女たるもの少しばかりは着飾るのも大切だと思いますわ」
そう丁寧に言い退けて、女達はまたもニッコリと笑みを浮かべた。