ゴッドネス・ティア
「吉倉は色の街、女の街、…男の遊び場みたいなもんだ。別に身売りをしなくても若くて別嬪だった彼女の店はよく売れた。そして彼女は自分の拾った身寄りのないたくさんの女達を自分の店で働かせた。身売りをしなくていいように」


「………」


「吉倉って聞くと、皆偏見の目で見たりすっけどさ、吉倉の女達が皆不幸ってわけじゃないんだ。確かに中には飢えて死んでく人や、客の取り合いで血生臭い事件が起こったりするけどな。それに吉倉だって世界に貢献してんだぜ。きっとちょっとは強姦とか減ったんじゃねーか?だからさ、」


「………」


「彼女達を、あんまり哀れな目でみないでくれ」



そう言った彼女の表情は、笑っていたけど少し悲しそうで。
何か深い物があるんだ、とレオナとヒサノに悟らせた。



「オレはあの人がちょっと怖いけど、尊敬はしてるんだ。きっと胸を張れるような生き方をしているわけじゃない。でも自分に誇りを持ってんだ。カッコイイよ。オレはそんな人になりたい」



少し照れたように笑って、華蓮はまた歩き出した。
二人は華蓮の一歩後ろを着いて行った。


五大騎士である彼女の覚悟とは、どんなものなのだろうか。

命の危機など当たり前、人を殺すも当たり前。

彼女はここで生まれ育ったから、そんな覚悟が出来たのか。





















彼女を見ると、背中が前より広く大きく見えた気がした。


















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