ゴッドネス・ティア
紅の簪と
あれから、しばらく歩いていた。
華蓮いわく、これはパトロールのようなものらしい。
なら何故デートなどと言ったり、自分達二人を連れ出すのかと問えば「スノーリアに腹が立ったから」だそうだ。
だからなんだ。と思うのだが、華蓮がとても楽しそうに自分達の手を引いて案内してくるので、それ以上は質問しなかった。
しばらく、三人でそれなりに楽しく談笑をしていたのだ。
それが途切れたのは、華蓮がピタリと足を止めたからだ。
静止。そう静止だ。先程までガッハッハと品のかけらもない笑い声を響かせていたのに、何事だ。表情も心なしか青い。
そう思って彼女に声をかけようとしたが、彼女がある一点を凝視していることに気がついた。
彼女の視線を辿っていくと、人込みに紛れているがある人物にたどり着いた。
その人は、まだ昼間だというのに酒瓶をらっぱ飲み。かなり飲んでいたのだろう。顔も赤い。
よく見ればなかなか綺麗な女性だというのに、その足どりや仕種に上品さが無く、勿体ない。
視線に気がついたのか、女性はけだるそうにこちらを向いた。
華蓮と、女性の目が合った。
合った、瞬間…
「てめぇコルァ!待ちやがれぇ!!!」
「――…さよならっ!!」
「………え、ちょ、華蓮…?」
女性が叫んだ瞬間、華蓮は身を翻し、物凄い速さで来た道を走り出した。
女性は大股開きで華蓮を追う。酒瓶を振り回しながら。
「ちょ、華蓮どこに行くんですかー?!」
「―――…!!!!!」
ヒサノが叫んでいるのも聞こえていないような必死ぶりで、華蓮は見えなくなった。
華蓮いわく、これはパトロールのようなものらしい。
なら何故デートなどと言ったり、自分達二人を連れ出すのかと問えば「スノーリアに腹が立ったから」だそうだ。
だからなんだ。と思うのだが、華蓮がとても楽しそうに自分達の手を引いて案内してくるので、それ以上は質問しなかった。
しばらく、三人でそれなりに楽しく談笑をしていたのだ。
それが途切れたのは、華蓮がピタリと足を止めたからだ。
静止。そう静止だ。先程までガッハッハと品のかけらもない笑い声を響かせていたのに、何事だ。表情も心なしか青い。
そう思って彼女に声をかけようとしたが、彼女がある一点を凝視していることに気がついた。
彼女の視線を辿っていくと、人込みに紛れているがある人物にたどり着いた。
その人は、まだ昼間だというのに酒瓶をらっぱ飲み。かなり飲んでいたのだろう。顔も赤い。
よく見ればなかなか綺麗な女性だというのに、その足どりや仕種に上品さが無く、勿体ない。
視線に気がついたのか、女性はけだるそうにこちらを向いた。
華蓮と、女性の目が合った。
合った、瞬間…
「てめぇコルァ!待ちやがれぇ!!!」
「――…さよならっ!!」
「………え、ちょ、華蓮…?」
女性が叫んだ瞬間、華蓮は身を翻し、物凄い速さで来た道を走り出した。
女性は大股開きで華蓮を追う。酒瓶を振り回しながら。
「ちょ、華蓮どこに行くんですかー?!」
「―――…!!!!!」
ヒサノが叫んでいるのも聞こえていないような必死ぶりで、華蓮は見えなくなった。