ゴッドネス・ティア
「か…華蓮が…怖い女の人に…!!だ、大丈夫でしょうか…?」


「…知らね。大丈夫じゃねぇの?顔見知りっぽいしさ」


「でもでも…華蓮、顔が青かったし…」


「下痢じゃね?薬飲んで寝てりゃ治るさ」


「な、なんで下痢…?!レオナは華蓮が心配じゃないんですか?!」


「うん、ぜんっぜん」



悪いな華蓮。殺しても死ななさそうなお前には心配なんてなかなかできねーぜ。

という冗談はさておき、帰る道がイマイチわからない。これからどうしようか。



「……ヒサノ、これからどうする?帰り道わかんね」


「え?!華蓮追わなくていいんですか?」


「華蓮がどこに行ったのかさえもわからん」


「え、えー…どうしましょうか…」


「せっかくだし、散歩でもして帰るか」



考えるの怠いし。そう言って勝手に歩き出すレオナ。さすが物ぐさ。しかしもう少し細めに生きてほしいものだとヒサノは思う。



「帰る道……わからないんでしょう?」


「わかんねぇな。けど道は全部繋がってんだ。歩いてりゃ着くさ。とりあえず来た道を戻ってみようぜ」


「……はぁ…わかりました。そうしましょう…」



相変わらずおおざっぱ。そんなレオナに呆れて溜息が出た。
最近ゆっくりと散歩も出来ていないし、まあいいか。と微笑んでみせて、来た道をゆっくりと二人で歩き始めた。



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