ゴッドネス・ティア
ヒサノが、いた。
今までどこにいた。そう言いたかったが、口は上手く動いてくれなかった。
「じゃあねおばさん!あたいは帰るから!別に感謝なんてしてないからね!」
「おばさんって言うなって言ったでしょ!さっさとお母さんの所へ行きなさい!」
「うるさいおばさん!じゃあね!!」
「む、ムカつく……!!!」
ハーバと手を繋いで駆けていくかわいらしい女の子。
だがそれから発せられる言葉はとても失礼なもの。それは目の前にいるヒサノへ向けたものだった。
ヒサノはぎりぎりと握り拳をつくり、歯を食いしばっている。
それが妙に笑えた。
「……ぷはっ…」
「ちょ、レオナ…笑わないでくださいよ!」
「ごめんごめん……ぶはっ…!!」
「………くっ…!ムカつく!!」
見た目は物凄く清楚でかわいらしいのに、言っていることと仕種が真逆だ。
眉間に深くシワを刻ませて、また歯を食いしばっていた。
振り返ると、こちらをちらちらと見てくるハーバが見えた。
先程のことは忘れよう。そう、彼はただかわいらしい男の子ハーバだ。
出来るだけ明るく笑みを作って、ハーバに大きく手を振った。
「今度は迷うなよー!!!」
そう叫ぶとやはり嬉しそうに笑って、小さい手を大きく振り返してきた。
それからはもう前を向いて、こちらを振り返ることはなかった。
「……レオナ、なんかありました?」
「……なんで?」
「……表情が固いなと思って…」
表情が、固い?
そう言われると先程の寒気のような吐き気のような気持ち悪さが蘇ってきそうだった。
そうだ。ハーバによくわからないことを言われてからだ。
封印とか赤子とか…意味不明なことを。
「…なぁヒサノ。赤子ってなんだ?」
「赤子…?赤ん坊のことでしょう?」
「………だよなぁ…」
ついさっき忘れようと決めたのに、深く考えてしまう。
ハーバは一体何が言いたかったのか全くもってわからない。
しかし考えても解らなさそうだし、本当に止しておこう。
今までどこにいた。そう言いたかったが、口は上手く動いてくれなかった。
「じゃあねおばさん!あたいは帰るから!別に感謝なんてしてないからね!」
「おばさんって言うなって言ったでしょ!さっさとお母さんの所へ行きなさい!」
「うるさいおばさん!じゃあね!!」
「む、ムカつく……!!!」
ハーバと手を繋いで駆けていくかわいらしい女の子。
だがそれから発せられる言葉はとても失礼なもの。それは目の前にいるヒサノへ向けたものだった。
ヒサノはぎりぎりと握り拳をつくり、歯を食いしばっている。
それが妙に笑えた。
「……ぷはっ…」
「ちょ、レオナ…笑わないでくださいよ!」
「ごめんごめん……ぶはっ…!!」
「………くっ…!ムカつく!!」
見た目は物凄く清楚でかわいらしいのに、言っていることと仕種が真逆だ。
眉間に深くシワを刻ませて、また歯を食いしばっていた。
振り返ると、こちらをちらちらと見てくるハーバが見えた。
先程のことは忘れよう。そう、彼はただかわいらしい男の子ハーバだ。
出来るだけ明るく笑みを作って、ハーバに大きく手を振った。
「今度は迷うなよー!!!」
そう叫ぶとやはり嬉しそうに笑って、小さい手を大きく振り返してきた。
それからはもう前を向いて、こちらを振り返ることはなかった。
「……レオナ、なんかありました?」
「……なんで?」
「……表情が固いなと思って…」
表情が、固い?
そう言われると先程の寒気のような吐き気のような気持ち悪さが蘇ってきそうだった。
そうだ。ハーバによくわからないことを言われてからだ。
封印とか赤子とか…意味不明なことを。
「…なぁヒサノ。赤子ってなんだ?」
「赤子…?赤ん坊のことでしょう?」
「………だよなぁ…」
ついさっき忘れようと決めたのに、深く考えてしまう。
ハーバは一体何が言いたかったのか全くもってわからない。
しかし考えても解らなさそうだし、本当に止しておこう。