ゴッドネス・ティア
「ふ〜〜〜っおいしい空気!やっぱりここはいいですね!!」



王都のある野原に連れて来られた三人は野原に大の字で寝転がるアンとその傍でキラキラ輝いて見える熟した林檎を見下ろしていた。


三人の視線はもちろんアンより林檎。


もう離さない、というかんじだ。



「ささ、皆さんもこちらへ座って下さい!
林檎でも食べましょう。ウチの林檎です。
美味しそうでしょう?」



林檎の入った大きなカゴから一つ、林檎を取る。


そして、そのままシャリッと音を起ててかじった。


食べた瞬間、幸せそうに口角を上げて笑窪をつくる。


行動が少女のようだ。



「ん〜〜、美味しい!!
ウチの自慢の林檎なんです。食べてください!!」



汚れのない澄んだ笑顔を見せた。


なんか、この人幸せ絶好調♪みたいな顔してる〜思いながらと無意識につられて笑みをつくっているレオナ。



「アンさん…食べていいですか?」



ヒサノはアンに話しかけているのにもかかわらず目線は林檎へ一直線だ。


これなら嫌でもいいと言ってしまうだろう。


案の定、アンはあの幸せ絶好調スマイルで答えた。



「もちろんです!
レオナさんには命を救ってもらいましたからこれくらいのこと易いもんです!」



力強くそう言って淡い桃色の緩く二つに結んだ長髪をサラリと背中に流す。



「ありがとうございます。
それならお言葉に甘えさせて……」



ヒサノはカゴから一つ大きめの林檎を取り、アンの隣に小さく座った。


こちらもシャリッっと音を起てて林檎をかじる。


食べた瞬間、ヒサノの動きがピタリと止まった。



「お、おいし〜い!」



顔を綻ばせる。


こちらも幸せそう。


アンとまではいかないけども。



「なら、僕も!わ〜い♪」



嬉しそうにスキップしながら林檎を取って大口を開けてかじりつく。


その姿がなんとも子供らしい。



「わぁ、美味しいよアン!すっごく美味しい!」



アランが腕をバタバタと振りその美味しさをジェスチャーする。



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