ゴッドネス・ティア
「腕いてーんだけど。どうしてくれるよ坊主」
「す、すんません…」
自分が情けない。ジロリと睨んでくる兄ちゃん方と目を合わせることも出来ず、ボソリと謝罪を述べた。
どうやら自分は曲がり角からやってきた目の前の兄ちゃんにぶつかってしまったらしい。
あまり前も見ていなかったし、自分が悪いような気がするから謝ってはおいたが、悪そうな兄ちゃん方はそれだけでは許してくれそうではない。
「……だから言ったんだよ。…ヒュネット国王騎士が襲撃してきたから一気に治安悪くなるとは思ってた。こいつら、吉倉の客だったんだろうね…厄介だよ」
「やっぱり俺のせい?」
「うん、アンタしかいない」
耳元で耳打ちしてくるリンに、がっくりとうなだれてしまった。
「お、こっちの子かなりかわいいじゃーん!」
「え、……きゃっ!」
ぶつかってしまった兄ちゃんの背後にいたまたも柄の悪い兄ちゃんが、いやらしい笑みを浮かべてずいとヒサノに顔を近付けた。
急に腕を引かれ、前へ出たヒサノは小さな声を上げて、兄ちゃんを怯えたように見上げていた。
「君すげぇかわいいなぁ!超俺好みだわ!どうせ吉倉の女だろ?いくら?」
「い、いえ…私は…」
「お、こっちの姉さんもなかなかいいねぇ!かなりの美人だ!でもあんたは高そうで手が出せないなー」
……これはまずい。
かなりの怪しい雲行きだ。ぶつかってしまった自分よりも彼女達が危ない。
「あんた達は…逃げなくていいのか?」
「ああん?坊主、お前何言ってんだよ。何が襲って来たか知らねぇが、こんなおんぼろな小路まで賊は来ねぇんだよ。金目の物もねぇしな!」
だから俺達はここにいるんだ。そう言って目の前の男は笑った。
「す、すんません…」
自分が情けない。ジロリと睨んでくる兄ちゃん方と目を合わせることも出来ず、ボソリと謝罪を述べた。
どうやら自分は曲がり角からやってきた目の前の兄ちゃんにぶつかってしまったらしい。
あまり前も見ていなかったし、自分が悪いような気がするから謝ってはおいたが、悪そうな兄ちゃん方はそれだけでは許してくれそうではない。
「……だから言ったんだよ。…ヒュネット国王騎士が襲撃してきたから一気に治安悪くなるとは思ってた。こいつら、吉倉の客だったんだろうね…厄介だよ」
「やっぱり俺のせい?」
「うん、アンタしかいない」
耳元で耳打ちしてくるリンに、がっくりとうなだれてしまった。
「お、こっちの子かなりかわいいじゃーん!」
「え、……きゃっ!」
ぶつかってしまった兄ちゃんの背後にいたまたも柄の悪い兄ちゃんが、いやらしい笑みを浮かべてずいとヒサノに顔を近付けた。
急に腕を引かれ、前へ出たヒサノは小さな声を上げて、兄ちゃんを怯えたように見上げていた。
「君すげぇかわいいなぁ!超俺好みだわ!どうせ吉倉の女だろ?いくら?」
「い、いえ…私は…」
「お、こっちの姉さんもなかなかいいねぇ!かなりの美人だ!でもあんたは高そうで手が出せないなー」
……これはまずい。
かなりの怪しい雲行きだ。ぶつかってしまった自分よりも彼女達が危ない。
「あんた達は…逃げなくていいのか?」
「ああん?坊主、お前何言ってんだよ。何が襲って来たか知らねぇが、こんなおんぼろな小路まで賊は来ねぇんだよ。金目の物もねぇしな!」
だから俺達はここにいるんだ。そう言って目の前の男は笑った。