ゴッドネス・ティア
「あれ…?」
ふと、ヒサノが疑問形の声をあげた。
「レオナ、ここ…」
レオナに近寄り、右腕を無理矢理とる。
レオナはなんだ?と眉をひそめ、ヒサノと同じように自分の右腕を見た。
見ると、肘が擦り切れて少し血が出ている。
「わっ、いつのまに?!」
「多分、馬車の時の傷でしょう。
気付かなかったんですか?鈍感ですね」
「しょ、しょーがねぇだろ!
いろいろ忙しかったんだよっ!!」
「ふ〜ん…あ、ここもっ!」
着々と傷を調べながら、傷ではなく、心の痛いところを指してくるヒサノに、なんとか反論するが、聞いちゃいない。
「もうっ、仕方ないですね」
呆れたようにそう言うと、ごそごそと神衣服のポケットをあさり始めるヒサノ。
ポケットから目的のものが見つかったらしく、軽く笑んで何かを取り出した。
金色の光沢に輝く腕輪サイズの金の輪に、ちょこんと小さな鈴が取り付けられている。
巫女の象徴の一つであるらしい、巫女特有の鈴だ。
「鈴なんか使って何すんだ…?」
「安心してください。
別にレオナなんかに変な事なんかしません!」
変な事でもされるのではないかと顔を引き攣らせ一歩後ずさるレオナの心を読んだのか、ヒサノは淡々と険しい表情で言い放った。
レオナなんか、は余計だ、とレオナはムッと眉を寄せる。
そんなことはほっといて、ヒサノは治療の準備に取り掛かった。
「では、これから治療術を行いますので邪魔しないで下さいね。
精神統一しますから」
そう言って、レオナの傷口にそっと触れた。
「ぅおっ、痛っ!
触んなアホっ!!」
ヒサノの手が傷口にしみてレオナは声をあげ、……思わず手をはたいてしまった。
「あっ、ごめんっ!!」
「…いえ、大丈夫です。
別に警戒しないでいいですよ。
私は一応プロですから。」
「あ、そういえばヒサノ治療術得意だったんだっけ」
なら安心、と引っ込めた腕を差し出した。
ふと、ヒサノが疑問形の声をあげた。
「レオナ、ここ…」
レオナに近寄り、右腕を無理矢理とる。
レオナはなんだ?と眉をひそめ、ヒサノと同じように自分の右腕を見た。
見ると、肘が擦り切れて少し血が出ている。
「わっ、いつのまに?!」
「多分、馬車の時の傷でしょう。
気付かなかったんですか?鈍感ですね」
「しょ、しょーがねぇだろ!
いろいろ忙しかったんだよっ!!」
「ふ〜ん…あ、ここもっ!」
着々と傷を調べながら、傷ではなく、心の痛いところを指してくるヒサノに、なんとか反論するが、聞いちゃいない。
「もうっ、仕方ないですね」
呆れたようにそう言うと、ごそごそと神衣服のポケットをあさり始めるヒサノ。
ポケットから目的のものが見つかったらしく、軽く笑んで何かを取り出した。
金色の光沢に輝く腕輪サイズの金の輪に、ちょこんと小さな鈴が取り付けられている。
巫女の象徴の一つであるらしい、巫女特有の鈴だ。
「鈴なんか使って何すんだ…?」
「安心してください。
別にレオナなんかに変な事なんかしません!」
変な事でもされるのではないかと顔を引き攣らせ一歩後ずさるレオナの心を読んだのか、ヒサノは淡々と険しい表情で言い放った。
レオナなんか、は余計だ、とレオナはムッと眉を寄せる。
そんなことはほっといて、ヒサノは治療の準備に取り掛かった。
「では、これから治療術を行いますので邪魔しないで下さいね。
精神統一しますから」
そう言って、レオナの傷口にそっと触れた。
「ぅおっ、痛っ!
触んなアホっ!!」
ヒサノの手が傷口にしみてレオナは声をあげ、……思わず手をはたいてしまった。
「あっ、ごめんっ!!」
「…いえ、大丈夫です。
別に警戒しないでいいですよ。
私は一応プロですから。」
「あ、そういえばヒサノ治療術得意だったんだっけ」
なら安心、と引っ込めた腕を差し出した。