ゴッドネス・ティア
「ちゃっかりしてますねぇ…。
では、治療を行います。
アランとアンさんも治療術が終わるまでしばらくお待ち下さい」
なんかどっかのアナウンスしたいだな、と無駄なことを考えながらレオナはシーンとした空気に目を泳がせた。
ヒサノが精神統一に入り、目をふせる。
リ-ンッ……リ-ンッ……
ヒサノの鈴の合図と共に今まで騒がしかった集団が静まる。
皆、物音すら起てないので風の音しか聞こえない。
野原はこんなにも静かなのかと改めて実感し、風になびかれ穏やかな気持ちになっていると、傷口が少し温かく感じた。
ヒサノの掌が触れている傷口を見ると、ヒサノは傷口にあてた手の項にいつのまにか鈴を握った手をのせていた。
傷口がちくちくする。
カマキリかなんかに皮膚を食べられているような感覚だ。
「はい、終わりです」
ヒサノの声と同時に現実世界に引き戻された。
ちくちくする痛みはもうない。
「お、終わったのか?今ので…」
「はい、バッチリですよ。
ほら、傷口はきれいサッパリ!」
そう言って、傷口にのせていた手を退けた。
「おぉ…っ!」
思わず歓声の声を漏らす。
傷はたしかにきれいサッパリ消えていた。
さすが巫女、見かけだけではなかったらしい。
ヒサノは自慢げに踏ん反り返って鼻を鳴らす。
「凄いでしょう?一年間教会で修行してきた成果です!
さすが巫女ってかんじでしょう?」
「あー、はいはい凄いデスネー」
「ちょっとは褒めなさいよ!!」
憎らしいレオナの発言にヒサノの鉄拳がとんだ。
だが、その騒がしさは一つの呟きによって中断される。
「…………巫女…?」
背後からアンの弱々しい呟きが聞こえたので、顔を覗いてみると真っ青で手をわなわなと震わせていた。
では、治療を行います。
アランとアンさんも治療術が終わるまでしばらくお待ち下さい」
なんかどっかのアナウンスしたいだな、と無駄なことを考えながらレオナはシーンとした空気に目を泳がせた。
ヒサノが精神統一に入り、目をふせる。
リ-ンッ……リ-ンッ……
ヒサノの鈴の合図と共に今まで騒がしかった集団が静まる。
皆、物音すら起てないので風の音しか聞こえない。
野原はこんなにも静かなのかと改めて実感し、風になびかれ穏やかな気持ちになっていると、傷口が少し温かく感じた。
ヒサノの掌が触れている傷口を見ると、ヒサノは傷口にあてた手の項にいつのまにか鈴を握った手をのせていた。
傷口がちくちくする。
カマキリかなんかに皮膚を食べられているような感覚だ。
「はい、終わりです」
ヒサノの声と同時に現実世界に引き戻された。
ちくちくする痛みはもうない。
「お、終わったのか?今ので…」
「はい、バッチリですよ。
ほら、傷口はきれいサッパリ!」
そう言って、傷口にのせていた手を退けた。
「おぉ…っ!」
思わず歓声の声を漏らす。
傷はたしかにきれいサッパリ消えていた。
さすが巫女、見かけだけではなかったらしい。
ヒサノは自慢げに踏ん反り返って鼻を鳴らす。
「凄いでしょう?一年間教会で修行してきた成果です!
さすが巫女ってかんじでしょう?」
「あー、はいはい凄いデスネー」
「ちょっとは褒めなさいよ!!」
憎らしいレオナの発言にヒサノの鉄拳がとんだ。
だが、その騒がしさは一つの呟きによって中断される。
「…………巫女…?」
背後からアンの弱々しい呟きが聞こえたので、顔を覗いてみると真っ青で手をわなわなと震わせていた。