ゴッドネス・ティア
「あのなぁ…、ちゃんと勉強しとけよおまえ…。
リリオの巫女は、大まかに言えば…伯爵以上、大臣以下の地位を持ってんだ。
最高位になると大臣以上、国王以下くらいの地位になる。
ヒュネットの場合は巫女が神様からの頂き物として考えられ、地位が大臣と同等になるんだ。
最高位はリリオと一緒だけどな。
まあ、どっちとも修業中のならず者だったら平民と同じだけど。
…なんでおまえがこういう事知らねぇんだよ」



ヒサノと同じように小声で説明をし、最後に文句をつけるレオナ。



「あははー、そうなんですかぁ。
私、修業中ずっと治療術ばかりしてたんでぇそういう事やってないんですよねぇ」



エヘヘッとおちゃめに答えるヒサノ。


だが、こめかみには青筋がバッチリ浮かんでいる。



「これくらい学校で習ったよ。
ちゃんと聞いとけ馬鹿」



今ので青筋がまた一本増えた。


だが、ヒサノはハッとした。


―――そういえばレオナってめちゃめちゃ頭いいんだった!


そう、レオナはめんどくさがりやのわりに勉強だけはしており、いつも五番以内はキープしていた。


ちなみにヒサノは……


思い出したくない記憶が出てきたので首をブンブン振って消去した。



「で、なんの話でしたっけ?」


「あ、はい…えーと、すみませんということです…」



そう言ってまたもや頭を下げる。



「そんなっ、謝らないで下さい!
アンさんにご無礼された記憶とかないんで謝る必要なんてないですよ!」


「え、それなら…許して頂けるのですか?」



少し顔を明るくしてヒサノを見上げる。

ヒサノの答えはもちろんイエスだ。

満面の笑みを浮かべて口を開…こうとしたが、レオナに塞がれた。




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