ゴッドネス・ティア
「ちっ!」



砂埃が激しく目を覆う。



「ハハハッ、また会うのを楽しみにしているよ!
レオナ・オラトーレ、スノーリア・ダーレイン!次の涙の石は渡さないからねっ!血の石はあげるよ!!
ハハハハハハっ!」



不気味な笑い声と共にスーは消え去った。


何が起こったのかはよくわからない。


ただ、危険な人物と会ってしまったのはわかった。


最後に見た彼の目。


それは死のような暗さ、漆黒の目。



「なんだったんだ…?」



スーが去った今、強風はどこかへ消え去り、名残のように葉が舞い降りて来た。



「チッ逃がしたか…」



隣で舌打ちが聞こえた。


見てみるといつの間にかスノーリアという男が隣に立っている。


…目が合った。



「…ファンに頼まれてレオナに着いていけと言われたのだが…女だったのか…?」



「ち、ちげぇよ、今訳あり女装してんだ!」



「…趣味か」



ひいたように数歩下がるスノーリア。



「違う、話を聞けっ!」



そんな言い合いをしていると後ろからヒサノの笑う声が聞こえた。


クスクスと小さく笑っている。



「わ、笑うな!てか、こいつ誰だよっ!!」



「あ、レオナ、あのね、スノーリアさんはファン様の命令で僕達についていくんだって!!僕達だけじゃ心配だからって!!」



アランが元気よく答えた。


なんだか嬉しそう。



「つか、それって信用されてないってこと…?」



なんだか虚しくなってきたレオナであった。



「これを見ろ」



スノーリアはどこからかバッチのようなものを取り出した。


バッチを覗いてみる。


バンクロフト教会の紋章が彫ってあり、金色に輝き、いかにも値段が高そうなかんじだ。



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