ゴッドネス・ティア
「………ん…」
頭がガンガンする中、まだ重い瞼を無理矢理開けた。
四角い窓の外で、青い青い空を仲よさ気に飛ぶ鳥の親子が見える。
昨日はあんなに暗かったのに、今日はもうこんなに晴れてる。
天候とは不思議だなー、なんてのんびりと考えた。
(………昨日?…昨日オレは何をしてた…?)
確か、…ザーザーに降る雨の中、ビショビショボロボロになりながら歩いた気がする。
……そうだ、そうだった。
「どこだここは…!」
記憶を取り戻した華蓮は勢いよく起き上がった。
「っ――!!」
が、起き上がった瞬間に腰辺りに雷にうたれたような激痛が走る。
そうか、そういえば昨日ムンマに蹴り飛ばされてル・メイの下敷きになったんだった。
(そう、……下敷き、に…)
思い出しただけで腹が立ってきた。
そういえば、その下敷きにしやがった張本人は何処へ行ったのだろう。
…だが、ふと、手に温かいものが触れた。
驚きで肩がビクリと揺れる。
恐る恐る見下ろしてみた。
………そこには、気持ち良さそう眠るル・メイが横たわっていた。
「……な、なんだ…ル・メイかよ…」
苦笑いを浮かべ、ホッと胸を撫で下ろした。