ゴッドネス・ティア
「――…殺す」


「…は?」



だが、華蓮が放とうとしていた言葉を、見た目では考えられないような凄みのある声で彼女は華蓮の先を越し、ル・メイへ投げかけていた。



「こいつ殺す!!」



少女は眉を鬼の如くつりあげ、物凄い勢いでル・メイに飛び掛かった。



「ぎゃーーーーー!いやぁぁああああ!」


「こいつあたしのことチビって言いやがった!死ね!殺してやる!」



ル・メイの上で跳ね上がり、攻撃をかまし、ル・メイは奇声を発しながら布団から顔を出し、攻撃をかわす。

さすが、国王国家五大騎士!と言いたいところだが、今はそれどころではない。


華蓮はとりあえず巻き込まれないようにと、数歩乱闘から身をひいた。



「重い重い重いーー!ガキンチョ下りろー!」


「何だと!?」



ル・メイの上でドスドス荒く足踏みをしていた少女はル・メイの言葉に素早く反応し、ジャンプ中に体をくねらせ、ル・メイの頭に踵落としをお見舞いした。



「―――…んにゃっ!」


「何がガキンチョだ!
あたしゃあんたの何倍も長く生きてんだ!なんか文句あるか!」



何やら奇妙な悲鳴を発したル・メイを踏み付け、腕組みで見下ろし、決め言葉。

だが、ル・メイはまだ反論するき満々であった。



「嘘だぁ…、あたしより何倍も生きてるわけないもん…。見た目がそうだもん…」



もごもごと口答えするル・メイを華蓮は、一言多いっ!と叱り付けた。



「おまえ知らないのか?
『魔女の村』に住んでいるエルフは、何故かエルフの血が濃すぎて普通のエルフより10年程、歳をとるのが遅いんだ。
だからこの少女はおまえより遥かに歳上なんだよ」



華蓮が言い切ると、ル・メイはムッと顔をしかめた。



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