クマのぬいぐるみ
数日が経ったある日俺はチャンスを掴んだ。


俺は暁子さんの気配を察すると玄関に向かった。
「ピンポーン」
彼女からの呼出しベルの音が鳴った。
俺はすかさずドアノブに手をかけ今すぐその呼出しに応えんばかりに気持ちを早らしたが、あまり早く出ても不審なので一呼吸置いてから扉をあけた。
「こんばんは慶介さん。もう夕食は済んでますか?」
「いえ。まだですけど?」
俺はとぼけるように答えた。
「実は料理の練習をしていまして、ちょっと作り過ぎちゃって…。たしか慶介さんもお一人でしたよね?良かったら一緒にどうかと思って」
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