クマのぬいぐるみ
俺は部屋の電気のスイッチに手をかけた。
その時だ…。俺は今朝感じた不気味な気配と同じものを感じた。
今朝と違った点と言えば俺が感じた気配はさらに不安を増していた。
あえて言えば第六感が俺には存在していて、何か危険を知らせると言わんばかりである。
俺はその正体がわからぬまま、とりあえず落ち着こうとタバコをふかした。いつもと変わらぬ情景。散らかった部屋に男の空気。ふと見た彼女からもらったクマのぬいぐるみも相変わらず左を見ている。
『何も変わらないじゃないか』
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