クマのぬいぐるみ
『おっかしいなぁ…いつこんな穴できたんだ』
俺は不安感をそのままにその穴を覗いた。






………………







………





「ぁ…………。」
…俺は絶句した。その穴の先に見えたのは人の目だった。おそらく女性の目…。

俺は瞬時に暁子さんの事が脳裏に浮かぶ。
その目は一瞬のまばたきもなくただただじっとこちらを見ていた。
その目は笑っているようにも見えた。しかし、以前に見た暁子さんの優しい笑顔はなく、そこに見えるのは何か蔑むような…冷たい目をしていた。
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