君と過ごした嘘つき時間
一人でそんな事を考えてたら
再びバスが揺れて転びそうになった。

慌てて入り口の所の棒に捕まった私は、
もう、立っているのが精一杯で…。

はぁ…ついてない(笑)

まぁ、彼に会えただけでも喜ばないと。

「そんな所に立っていたら危ないよ?」

「え?」

どこからか、優しくて透き通るような
美しい声が聴こえた。

声がする方を振り向くと、そこにいたのは…。

「よかったら僕の席に座って」

ニコッコリと微笑んだ彼がいた。
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